JR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)西側の再開発用地で見つかった明治初期の鉄道遺構「高輪築堤(たかなわちくてい)」の保存や活用を考えるシンポジウムが16日、オンライン形式で開かれる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が遺構の重要性を指摘する中、未発掘部分の今後のあり方などを議論する。 日本考古学協会(辻秀人会長)が主催し、同協会の元会長でJR東日本が設置した有識者検討委員会の谷川章雄委員長が講演。ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」の日本国内委員会の伊東孝さんや、鉄道史学会の老川慶喜さんらを加えてパネルディスカッションも行う。 築堤は1872(明治5)年の鉄道開業時、海上に線路を敷くために東京湾の浅瀬を埋め立て、現田町駅ー品川駅間の約2.7キロにわたり造られた。当時、海上に鉄道を通した例は珍しく、遺構からは国内の既存の土木技術と、建設指導した英国人の技術を融合させた