今夏に読んだ本の中でも最高傑作だったので紹介したい。 1999年に書かれた本であるが、未だ色あせていない。 丁寧に文献をまとめ上げ、事例だけでなく統計を用いて誰もが納得できる一冊。 日々叫ばれる俗流若者論のごとくノスタルジーに浸り若者をハイリスクな集団としても誰も得しないどころか若者が傷つく。次は誰がこのような若者を育てたかという責任のなすり合いとなる。 書評では触れないがそこら辺の原因についても言及されている。つべこべ言わず目を通してほしい。教育の何が変わり何が問題なのかがそこに明示してある。 答えは本書を見てもらうとして、いくつか重要な要点をあげておきたい。 1.農村か都会か。 まずしつけについて考えるとき、社会は一概に語れない。言われてみれば当たり前だが、欠けやすい視点である。本書で取り上げているのは農村と都会の子どもやしきたりをはじめとしたシステムの変化である。これが