現代世界の考古学：ＷＡＣ６からの問いかけ／上 軍と学者の連携、是か非か - 毎日ｊｐ(毎日新聞)世界考古学会議（ＷＡＣ（ワック））の第６回大会が６月末～７月初めにアイルランドのダブリンで開かれた。４年に１度開かれる本会議で、７４カ国・地域から約１８００人が集まった。現代世界の問題についての議論を報告する。【佐々木泰造】 ◇イラク戦争への対応で激論 考古学者が軍隊に協力することは許されるのか。イラク戦争が始まった０３年から議論されてきたこの問題について、第６回大会では、肯定論、否定論の考古学者が正面から意見をぶつけ合った。 議論のきっかけは、ＷＡＣの設立時からの中心メンバーで、第６回大会まで名誉最高経営責任者（ＣＥＯ）を務めたピーター・ストーンさん（英ニューカッスル大学）が取った行動が、戦争を正当化すると批判されたことだった。 ０３年２月２日、文化遺産学を専門とするストーンさんに、英国防省から非公式に接触があった。イラクで武力紛争が起きた場合、保護すべき遺跡を示してほしいという要請だっ
