【壬生】発掘調査が行われている藤井の吾妻古墳と車塚の車塚古墳で17日、現地説明会が開かれる。昨年度の調査で石室が全国でも珍しい巨大な硬質の一枚岩で組み立てられていることが分かった吾妻古墳は本年度掘り進められ、巨岩全体が見通せる。岩の大きさや加工技術の高さは専門家を「圧巻」とうならせている。車塚古墳は軟らかい巨大凝灰岩製石室があることで知られ、同じ地域の二つの巨石文化を実感できる貴重な機会だ。 吾妻、車塚古墳とも国指定史跡で古代下野国の首長墓とされる。6世紀後半の吾妻古墳は約128メートルの墳丘を持つ県内最大の前方後円墳。一般に石室材は凝灰岩が多いが、吾妻の場合は左右と奥の壁が青みがかった一枚岩で、内側は赤く染められていた形跡が残る。県埋蔵文化財センターの本年度調査で石室は奥行き約2・4メートル、幅約1・7メートル、高さ約1・8メートルと確認され、岩1枚の重さは10トン以上とみられるという。