◇世代論の終焉と世代内格差 ◇西田亮介(にしだ・りょうすけ=政策学者、東洋大学非常勤講師) ある日の20代前半の若手社会人が目覚めて出勤するまでの風景をシミュレーションしてみたい。 朝、目が覚めるやいなやスマートフォン(多機能携帯電話)を手に取り、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブックで夜中の間に友人たちが更新した近況や写真に「いいね!」ボタンを押す。スマートフォンは、音楽プレーヤーとしても機能するから、通勤の満員電車では音楽を聞く。並行して、ツイッター(ミニブログ)で流れてくる最新のニュースと知人たちの近況の双方に目を通す。ときどき「リツイート」という機能を使って、実際には会ったことのないネット上の「知人たち」の間で共有する。 このような話は、たとえ使ったことはないにせよ、「ソーシャルメディアを活用する最近の若者」としてご存じの方も多いのではないか。いまでは「ソ