The MIT Press Cambridge, Massachusetts London, England
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この文章では,生物の起源に関して筆者が勉強したことを紹介したいと思います。 生物がどこから来たのか,どのようにして誕生したのか,そもそも何もないところから生物が出現するなどということがありえるのか, などは多くの人が疑問に思うテーマです。しかしながら,飛躍的に発展した現在の生物学でもこの疑問には明確な答えが出せていません。 だからといって生物の起源が全く闇の中にあるのかと言えば,実はそうでもありません。1950 年代の有名なミラーの実験(Miller, 1953)により, 生物の起源を実験を通じて調べることが出来ると考えられるようになりました。一方で,同じ 1950 年代に構造が決定された DNA の研究から, 生物が精密に作られた「物体」として(魂のようなものを考えなくても)説明できるという考えが浸透しました。 こうして始まった生物の起源に関する研究は,単に生物の構成物質(アミノ酸,核酸
「単系統」(monophyly)あるいは「単系統群」(monophyletic group)という用語と側系統・ 多系統など関連する用語は,系統解析や分類学などの論文・文章などでしばしば用いられます。しかし専門外の方には「単系統」 という用語を正しく理解していない人も多いようです。そこで系統学にとって最も基本的な概念である「単系統」 という用語について少し解説を試みてみます。なお,「単系統」という用語の定義にも研究者によって違いがあります (Ashlock, 1971; Farris, 1991; 三中, 1997)。ここではワイリー ほか (1992) の単系統群の定義を基本に紹介し, 側系統群の定義については Farris (1974) や Farris (1991) を踏まえた見直しも行っています。 まず,一般的に用いられている「単系統群」は、「ある祖先とその子孫すべてを含む種の集合
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