私たちは「共感力」のことを、筋肉やパズルゲームのスコアのように、努力次第で鍛えたり高めたりできるものであるかのように語ります。しかし、Natureに掲載されている最近の研究によると、個人の共感力は(少なくとも部分的には)遺伝子で決定されているという理論を支持する証拠が見つかりました。 共感力は大きく2つの種類に分けられます。1つは他人の感情や思考を認識し理解する能力である認知的共感力。もう1つは、そうした観察に基づき正しく反応する能力、情動的共感力です。共感力の測定には共感指数テスト(EQテスト)が用いられます。テストの被験者は「私は相手に合わせて適切な振る舞いをすることができる」とか、「新しいことを学ぶのが好きである」などといった項目について、自己申告で点数付けを行います。 ここ数十年のバイオテクノロジーの進歩にともない、研究者たちは、がんリスクや自閉症、統合失調症、セクシュアリティ障害