前回のコラムでは「お互いの主張を出し合うことで論点が明確になる」ことを取り上げた。主張し合い、議論すべきポイントを探し出し、自らの主張に分があるかどうかを判断する。こうしたプロセスが双方に働く。これが中国流のコミュニケーションスタイルである。 しかし、同時に注意しておきたいポイントがある。それは「反論に反論しない」という点である。中国側の主張に反論すると、必ずと言っていいほどそれに対する「反論」が返ってくる。その「反論」にまた反論すると、相手はまたそれに対して「反論」してくる。 カチンとしてその「反論」に反論すると、相手からの反論が「言い訳」になり、それに反論すると「へ理屈」になってまた反論が返ってくる。結果的に反論の応酬が続き、議論すべきポイントがあいまいになり、論点がぼやけてしまうことがよくある。これを「言い訳のスパイラル」と名付けた。 「言い訳のスパイラル」状態に入ると、議論すべきポ