卒論読んでいたらいろいろ考えることがあったので、歴史系の学術論文の書き方について講釈します。まず、質の良い学術論文の見分け方について四つの要素を確認しましょう。 ●質の良い学術論文の見分け方 (1) そのテーマについて過去になされてきた研究 (先行研究)にきちんと言及しており、著者がそれに対してどのようなスタンスをとるのかが明示されている(先行研究を別の視点からみるのか、批判して新しい知見を提示するのか、それが正しいことを別の資料で証明するのか etc.)。 (2) 論をなすにあたって、一次史料に直接あたって吟味・考察をしている。質の悪い論文は他人の概説書を根拠として引いたりする。 (3) 一次史料を丹念に探索し、その記述から見えてくるものを、結論にだしていること。その逆のダメ論文は「結論が先にあって、その結論に合致する資料を集める」。これはたとえばジャーナリストの報道、検察の立件などすべ