9月8日に告示された自民党総裁選に立候補した麻生太郎外務大臣。安倍晋三・内閣官房長官の優位が伝えられる中、経済通を売り物に存在感をアピールしている。麻生氏は本誌とのインタビューに応じ、経済成長に軸足を置いた政策で経営者の投資意欲を回復させ、公共投資を効果的に使って地方経済を活性化する持論を大胆に展開した。 問 麻生さんは総裁選候補者の中で、唯一、会社経営の経験をお持ちですが、日本を株式会社に見立てた場合、現状をどう分析しますか。 答 今の日本は、経済成長という言葉を忘れてしまっている。1995年頃から企業は売り上げを増やすより借金返済を優先し、金利ゼロでも設備投資のためのお金を銀行から借りようとはしなかった。ここへきて借金を返し終わった企業がようやく設備投資を始めましたが、銀行の貸し出しは増えていない。何が起きているかというと、企業はキャッシュフローの範囲内で投資をしているんですね。つまり