【ソウル=黒田勝弘】日韓で領土紛争になっている竹島(韓国名・独島)をめぐり「周辺の海洋と海底資源を日本と共有」を主張した韓国政府の研究機関、統一研究院の金泰宇院長(62)が、国会や世論の強い非難を受け辞任した。 金氏の主張は「日本が韓国の領有権を認めることを前提」に共同利用で話し合ってはどうかという程度のものだが、それでも日本への譲歩になり許せないというわけだ。実質的には解任で、韓国では竹島問題で言論の自由はないに等しい実態があらためて確認されたかたちだ。 金泰宇氏は政府機関の国防研究院での仕事が長かった安保や核問題の専門家。保守派の論客としてメディアへの寄稿や討論でも活躍してきた。昨年8月、北朝鮮研究の統一研究院院長に任命された。 金氏は李明博大統領の竹島上陸などで日韓関係が極度に悪化していた8月下旬、研究院のホームページに紛争解決策として領有権はそのままに“独島共同利用”論ともいえる主