生活圏には、だいたい自分と同じくらいの階層の人間が集まっている。自分の生活圏で異常な行動を取れば、排除され生活するのが難しくなる。だから普通の人は、あまり異常な行動をしない。 ところが道路では階層もなにもなく、生成りの人間同士が出会う。道路で異常な行動を取ったとしても、事故を起さない限りはデメリットはない。それどころか移動の速度が向上したり、気分が良かったりする。結果的に道路での移動では、不快な出来事が起きがちである。 効率重視で生きている社会的な地位の高い人が熟考し、ジャイロキャノピーが最も合理的な移動手段だと結論を出したとしても、実行に移すことは滅多にない。自分一人が移動するのならば問題ないのだが、道路では他人が存在するため、不快な思いをする可能性が高いからである。 道路では乗り物の値段で階層が形成されるため、金額の高い車はあまり嫌がらせを受けることがない。ジャイロキャノピーは嫌がらせ