朝鮮半島が再び動く。関係各国は北朝鮮の核問題の解決を目指しながら、実は「金正日後の北朝鮮」を巡り、せめぎあうことになろう。各国の本音はどうからまっていくのだろうか。 中国――「核なし」で親中 「中国と日本は、北東アジア情勢を一緒に再検討する必要が出てきた」――。中国のある外交専門家が言い出した。2007年2月の六カ国協議で米朝が「核放棄」と「体制認定」を取引することに合意し、予想外のスピードで国交樹立を目指す協議が動き始めたからだ。この取引がすんなりと前進すると見る専門家は世界にもほとんどいない。それだけに、この発言からは中国の「米朝関係が改善しすぎてもまずい」とのひそかで新たな懸念が透けて見える。 中国の「望ましい北朝鮮像」は簡単だ。もちろん基本は「中国の言うことをよく聞く」である。そのためには核兵器は持たず、自国の安全の担保のために中国を頼りにせざるをえない国であることが必要だ。