ブックマーク / chokobostallions.hatenablog.com (10)

  • クイーンズ・ギャンビット  - dalichoko

    的にシリーズものは見ないのだが、町山智浩さんがこのドラマを推薦されてたので、つられて見てしまった。(映画ムダ話でも扱ってます。)すごい面白い! なかなかよくできたドラマで、このクオリティーを苦もなく見ることができるとは驚きだ。そして『ハリウッド』でも思ったことだが、扱う題材が極めて政治的なところも面白い。大人のドラマだ。 あらずじなどはともかく、思いつきでこのドラマの背負っている主題を並べると、 1、ドラッグやアルコールなど依存症 2、孤独(死) 3、ジェンダー、ギフテッド、アスペルガー こう並べれば、アメリカの社会全体が抱える問題を扱っているのは明らかだ。そして時代を1967年頃を軸にすることで、人種差別の問題や背景にある戦争(ここでは冷戦)の問題を扱っている。 母親の自殺(車の衝突)に巻き込まれて生き残ってしまった孤児(孤独)であることが、この主人公を絶えず苦しめる。そして親から授

    クイーンズ・ギャンビット  - dalichoko
  • トライアローグ 横浜美術館 - dalichoko

    素晴らしい企画だったと思う。 それぞれの作家の作品で、国内で分散されている作品を集結させて歴史をなぞる。その変化を探る意味でも極めて優れた企画であった。面白かった。 そしてアートが戦争の世紀といわれる20世紀でどのように変化したか?と問う企画としても見事に整理されている。写実主義を離れ表現主義への変化。二次元から三次元など、アートの選択肢が幅広くなった。 それと平行して、個人的に目を引いたのは美術館の歴史だ。日に名だたる美術館の多くは1980年代後半に建てられたものだ。そして世界のアーチストを集い、幅広くアートのトレンドを追ってきたのが日美術館史といえよう。しかし、美術館に限らず、長いデフレの中で、国内のあちこちのテーマパークや美術館が困窮し、コロナの影響で経済的にも追い詰められている現実もあるようだ。 資主義の終焉が近づく中、果たしてアートはどこに向かうのか。この企画は裏を返すと美

    トライアローグ 横浜美術館 - dalichoko
  • アール・ブリュット 特別展 - dalichoko

    満天の星に、創造の原石たちも輝く -カワル ガワル ヒロガル セカイ- そもそも”アウトサイダー・アート”について知らなかった。渋谷の公園ギャラリーに寄る。のんさんの音声ガイドを無料で聞くことができる。 驚くことばかりだ。驚きの連続。例えば、渡邊義紘氏のこの作品。 全部”落ち葉”である。彼は普通のハサミを手に、またたく間にこれらの作品を作り上げる。そして彼は”自閉症”だ。 さらにこの岡秀則氏のこの作品。 パッと見ただけではまるでわからないのだが、実は全部”電車”である。 見ているうちに涙がこぼれてくる。大げさでなくなぜか涙が・・・ きっと社会の片隅で、虐げられた人々の心がこれらの作品に広がっているのではないか?そう思うととてつもない感動が押し寄せる。 彼らのプロフィールなどを読むと、自閉症や引きこもりなど、様々なビハインドが背景になって、その中から生まれた作品が並ぶのだ。しかも彼らは美術

    アール・ブリュット 特別展 - dalichoko
  • 映画の未来 - dalichoko

    ”日映画の未来”という意味で、是枝裕和監督が昨今の映画事情について東京国際映画祭のインタビューに応じた内容が興味深い。 ひとつは「東京国際映画祭が世界の国際映画祭と比較して見劣りする。」ということと、「コロナ渦で経営の厳しいミニシアターを救うために、想像以上の寄付金が寄せられた。」という2点についてお話されている。 特に前段の件は深刻だ。 国際映画祭を開催することと、個人的には廃止すべきと思っている日アカデミー賞とが折り重なる問題のように思う。これはあくまでも個人的意見ではあるが、かつて世界にも高く評価された日映画歴史は黒く塗りつぶされてしまった。その要因の一つが日アカデミー賞だと思っている。極めて内向きの映画賞は限りなくスポンサー寄りであり、国際性はまるでない。評価もテレビ向けに偏っている。そのうちテレビ局もなくなってゆくだろうが、それに合わせて日アカデミー賞も発展的に廃止し

    映画の未来 - dalichoko
  • レベッカ 最後の最後まで目が離せない - dalichoko

    かつて見たアカデミー賞作品賞を受賞したアルフレッド・ヒッチコックの『レベッカ』は1940年に公開された映画。もちろんモノクロ映画だったわけだが、意図的にぼやけた映像がこのドラマをどこか見えない重苦しい世界にいざなうものだった。 あれから80年が経過した。Netflix映画が昨日リリースされたので鑑賞した。 レベッカ(字幕版) メディア: Prime Video あの霧の中で展開されたような映像は鮮明な映像となり、映画全体がまるでちがうものとなって再現された。 Rebecca (Music From The Netflix Film) 発売日: 2020/10/23 メディア: MP3 ダウンロード この主人公、リリー・ジェームスには実は名前がない。「わたし」という主語で語られ、デ・ウィンター氏と結婚して初めてミセス・ウィンターとなる。ここがこの映画の主題である。この女性はいったい誰なのか?

    レベッカ 最後の最後まで目が離せない - dalichoko
  • 草笛物語 葉室麟著 - dalichoko

    感動で打ち震えて涙が止まらない。 葉室麟さんのことをほとんど知らない中で、幾度か葉室さんの作品を読むにつれ、彼の優しさとぶれない軸のようなものを感じさせてくれる。いまもはや晩年を過ごそうとする身である自分にも、残り少ない命の時間を示してくれるようだ。 この『草笛物語』をひとことで示すなら、巻末の解説を書いている内容麻里子氏の「若い世代に命が続くことをうたいあげた物語」が最もしっくりくる。内藤さんの言われるとおり、この物語の主人公をはじめ、男も女もそれぞれに覚悟を決め、人々の罪を背負う、というまるでキリストがゴルゴダの丘を登るような世界を指し示してくれる。 今さらだが驚いたのは、この作品が『蜩ノ記』シリーズの最後だということだ。このが出た2017年に奇しくも葉室麟さんは亡くなられているのだが、あの黒澤明監督の元で学んだ小泉堯史監督の『蜩ノ記』から16年後の話がこの『草笛物語』となっていたの

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  • 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ - dalichoko

    映画として優れた作品だった。日映画は衰退の一途を邁進し加速させているが、このドキュメンタリーという分野である種の可能性を残しているように思える。 これは素晴らしい映画だった。日映画だ。プロデューサーは大島渚監督の次男大島新氏。感動で涙が止まらない。『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日人へ』。 ムヒカを題材としたドキュメンタリーはいくつか作らているが、これは日人をターゲットにしている。 映画としての感想はほかのブログに書いたので、ここではムヒカが主張する物質社会への問題提起を題材にしたい。 2012年の国連の議題は「人間はどうしたら、これからも発展しながら地球環境を守っていけるのか?」で、どの国もありきたりできれい事のような演説を並べる中、会議の終盤、がらがらになった記者席に名もなき国の名もなき大統領が壇上にノッしと現れる。 そして・・・ 「もしドイツ人がひと家族ごとに持ってい

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  • ピーター・ドイグ展 - dalichoko

    東京に戻ってきて心から嬉しく思うことは、アートに接する機会に恵まれていることだ。展示が充実していることもさることながら、その空間も楽しめる。たまに一人で過ごす時間もまた空間とともに永遠を感じさせる。 竹橋の国立近代美術館に向かい終わり間近のピーター・ドイグ展を鑑賞。 とても充実した時間だった。 ピーター・ドイグという画家がどういう人物か全く予備知識もなく鑑賞したのだが、よくよく考えてみると”画家”という存在は稀有に等しくなってきた。現代美術のトレンドは三次元的な作品やインスタレーションなどに偏りが生じている。我々がアートに没入した1980年代はパフォーマンスの時代。 その意味でこのピーター・ドイグは、頑なに絵画にこだわりを持ち、その作風もまた印象派以来の過去の画家をも踏襲している。ゴッホやゴーギャンのような世界。これは言葉を帰ると芸術分野の隙間産業のようでもある。 二次元の世界をおよそ3分

    ピーター・ドイグ展 - dalichoko
  • 逆転する家族関係 すべてはコスト - dalichoko

    少し前に従兄弟と再会して久々に事したら、親の面倒が大変だと言っていた。お互いの祖先を同じくする者同士、慰め合うような話題になった。しかも彼は、奥さんにお父さん(自分からすると叔父さん)の世話をさせている引け目がある。 彼には弟と妹がいて、近くに住んでいるらしいのだが、叔父さんの面倒を誰も見ないので、彼の奥さんにお鉢が回ってきた。施設に入れることも考えているらしいが、コストもかかるし大変だ。 もともと従兄弟が転職するというので、身元保証人になってほしいという依頼からの再会になって深刻な話題を改めて知らされたのだ。 新型 Nintendo Switch ニンテンドースイッチ 体 Joy-Con (L) ネオンブルー/ (R) ネオンレッド 任天堂 ゲームプレゼント ギフト 家族 ファミリー [ラッピング対応可]MZK 価格: 40360 円楽天で詳細を見る 彼と彼の弟妹とはいとこ同士な

    逆転する家族関係 すべてはコスト - dalichoko
  • TENET テネット - dalichoko

    つまらなかった。というかノーランとは相性がよくないのだと思う。 この映画に200億円が投じられ、その三倍の興行収入がないとペイできなという途方も無い現実を聞かされても全く実感がない。 ポスター/スチール写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン8 TENET テネット 光沢プリント(写真に白枠あり) メディア: ノーランの作品をすべて見たわけではないのだが、彼の作品のいったい何が面白いといえるのだろうか?なにが面白いんですか? 私にはまるでその面白さがわからないんです。 ひとつだけ傾向を並べると、主人公がドラマの最初で力を持たないということ。あのブルース・ウェインですら『バットマン・ビギンズ』では子供で力がない。『ダークナイト』はジョーカーの話だったが、ここでバットマンは脇役で力を持たない。『インター・ステラー』の元宇宙飛行士という設定で、このドラマの始まりでは力を持たないファーマー

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