とある田舎の居酒屋。 昭和初期を彷彿とする外観である。 決してお世辞にもきれいなお店とは言えない。 しかし、連日そのお店は行列。 なぜか? お店に入る私。 店主はいつもこのように私を迎えてくれる。 「いつもどうも」 ・・・連日行列が出来ているお店なのに「常連」の顔と名前をしっかりと覚えているのである。 「いつものでイイかい?」 「よろしく」 毎度、決まってこのようなやり取りをする。 店に行ってからメニュー表を広げ「なにを食べようかな~」とは考えない。 なぜなら、プロが「今日のおすすめ」を出してくれるからだ。 プロを信用し、信頼していればその日の「お勧め商品」を疑うことなんてナンセンス。 「じゃ、これ飲んで待ってて。」 「おまちどうさま。」 本日のおすすめ料理が次々と運ばれてくる。 頼んでもないのにその勢いは止まらない。 「これも食べてみて、旨いから」 「今日仕入れたばかりの魚だよ、食べてみ