栃木県の南西部に位置する佐野市の中心部から車で30分ほど行ったところに、白い鉄筋コンクリート造りの小学校の校舎がある。山が間近に迫り、田畑が広がるのどかな一帯には、昼間は子供たちの遊ぶ声が響く。児童は一学年10〜15人程度で、全校でも70人ちょっとという小学校だ。 そんな小さな学校を揺るがす“事件”が今年の4月、立て続けに起きた。1週間の間に、在籍する児童の母親2人が相次いで自殺したのだ。発端は4月16日、小4の娘を持つA子さんが亡くなったことだった。 「A子さんが首を吊っているのを見つけたのは娘さんでした。娘さんは特殊学級に通っていて、本当にかわいらしい子。その子が自分で救急車を呼びました。だけど、A子さんの家は山の中腹にあり、道も細く、救急車が道に迷ってしまった。娘さんは泣きじゃくりながら家の下の大きな道路まで下りてきて、救急車を待っていました」(近隣住民) 「お母さんが…お母さ
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