国の天然記念物に指定されているムラサキオカヤドカリ446個体が藤沢北署に持ち込まれ、署が文化財保護法違反事件として捜査していることが分かった。オカヤドカリは分布域からの移動が禁止されているのに、何者かが許可を受けずに移動させた疑いがあるという。署は個体を証拠品として押収し、神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館(えのすい)に預けるなどしている。 【写真】藤沢市の新江ノ島水族館で一時保管しているムラサキオカヤドカリ=同館提供 オカヤドカリは、東京都の小笠原諸島、鹿児島県、沖縄県が生息地とされ、採集や移動は禁止されている。署に持ち込まれたのはオカヤドカリの種類の一つ「ムラサキオカヤドカリ」で、沖縄県文化財課によると、沖縄では砂浜からつながる岩場などでよく見られ、体全体が紫色なのが特徴という。 えのすいによると、署から7月、「一時保管してほしい」と依頼があり、体長約3~約6センチの446個体を預かった。