「ものすごく危険なテレビですよ、これは。こんなこと許せません。絶対許せません。それやったら幽霊がいることをはっきり実証してください。除霊師の部分も。いるかいないか、わからんまま終わらさんといてください。いないと断定して終わるのがテレビです」 騒然とした雰囲気の中、「全部カットするか、僕がこの番組辞めるかどっちかです」と啖呵を切って上岡はスタジオを退出。当日は2本録りの予定だったが、残りの1本は収録されなかった。 「その時ですわ、ぼくが霊やの宗教やの御祓いやのを信じんようになったんは」 上岡がオカルト嫌いになった理由は、母・タマが乳がんにかかって死の淵にいるとき、さまざまな宗教家によって食い物にされたからだ。 ©文藝春秋 母の乳がんが発覚したのは上岡が小学4年のとき。両方の乳房を切除したが、がんは体中に転移しており、最期のときを自宅で過ごすために帰ってきた。そこへやってきたのが祈祷師などの宗