チャンピオン戦 10番 若島 正作 解答選手権ではすっかり定番になった、双玉問題である。 まず普通に、83歩成、94玉、44飛と進めてみよう。そこで玉方がどう受けるか。 (10-01図 44飛まで) 74歩とでも受ければ、85銀、95玉、97飛、同馬、96歩、同馬、84銀、94玉、95歩、同馬、93銀成まで。これが本局の基本的な設定である。平凡な受けではこの順から逃れられない。ひねって64馬という受けもありそうだが、実は44飛をピンしても関係がない。 受けがないようにも見える局面だが、隠された秘手がある。それは64角!である。もちろん、この角は取れない(取ると逆王手)。 (10-02図 44角まで) この合駒の狙いはこうだ。先ほどの手順のように85銀、95玉、97飛と行くと、同角不成!で打歩詰になってしまうのである。 (10-03図 97同角不成まで) この図まで来ると、