2020年から大学入試制度が大きく変わる。今春すでにそれを先取りするような試験を導入した大学もあり、その影響は当然、高校以下の教育にも及ぶことになる。まさに教育の一大改革だが、さてその背後にある「理念」と「ホンネ」とは? 画一的な詰め込み教育からの離脱は、何をもたらすのか? 文/堀井憲一郎(コラムニスト) 教育「理念」の由来 もう少しすると、大学の入試制度が変わる。 小学、中学、高校の教育も変わる。2020年に劇的に変わる予定になっている。 今回の改革目標は「知識だけではなく自分で考えて表現する人間に育てる」というところにある。 教育改革はいつも高い理想が掲げられる。子供のことをおもって素晴らしい理念が示される。 その理念を決定するのは国家機関である。ただ、あくまで民意に沿って決定している。国民の誰も望まない理想が掲げられることはない。 〝おのれの一身を抛って国家に奉仕することのできる武士