二兎を追って二兎を得ることができた人は何が違うのか。2018年の世界柔道選手権などで優勝(金メダル)した朝比奈沙羅選手は今春、獨協医科大学医学部に合格した。「脳まで筋肉の柔道選手に医学部合格なんて……」などと誹謗中傷を受けたにもかかわらず、その苦難を乗り越えられた理由をプレジデントFamily編集部に明かした――。 2017年、マラケシュ世界柔道無差別選手権優勝、18年、バクー世界柔道選手権78kg超級優勝(金メダル)のほか、数多くの国際大会を制覇してきた柔道家・朝比奈沙羅選手。来る東京五輪代表も有力視される彼女は、自身が育ってきた家庭環境について、こう語る。 「テルヤさん、あ、父のことです。両親のことをテルヤさん、ミツコさんって呼んでいます。幼稚園の頃、父とキャッチボールをしていて、取れなくて顔にボールが当たったことがあるんです。父は学生時代水球をやっていて、球がめちゃくちゃ速い。それな