北海道旭川市のいじめ凍死事件に多くの人が関心を寄せている。文春オンラインが報じた記事によれば、学校が十分な対応をしていなかった様子が見て取れる。その結果、当時中学校2年生の廣瀬爽彩(さあや)さん(14)は自宅を出たきり、行方不明となった。そして2021年3月、爽彩さんの遺体が見つかった。いったい、何をすれば、爽彩さんの命を救えたのか。そして、今からでもできることは何なのか――。 多くのいじめや学校の不適切指導を取材してきた経験から、この痛ましい事件について検証してみたい。 何のための「いじめ基本方針」なのか 爽彩さんがいじめを受け始めたのは2019年4月中旬ごろだったという。子どもたちの溜まり場になっていた児童公園で2学年上のA子と知り合い、また、ソーシャルゲーム「荒野行動」で知り合ったA子の友人・B男とも、この公園で出会った。さらに、別の中学校に通うC男とも知り合い、そうした関係の中でい