ナポリに続くイタリア18世紀人体標本の旅。今回ご紹介するのはフィレンツェのラ・スペコラ博物館です。正式には「LA SPECOLA MUSEO ZOOLOGICO UNIVERSITA DI FIRENZE」。つまりフィレンツェ大学附属スペコラ動物博物館で、別に人体標本だけを展示しているのではなく、全部で34室ある展示室のうち、人体標本室はたったの10室だけです。ん。十分多いですか? ここは日本でも写真集が出版されたりして既に有名ですが、ここを訪れた人は意外なくらいに少ないのです。開館時間が短いせいもありますが、あんなに日本人観光客が多く訪れるフィレンツェにあり、誰しもが訪れるピッティ宮殿のすぐ近くにある博物館なのに。 ちょっと髪をみつあみにした、この女性の蝋人形が一番有名です。殉教した聖人の絵によくあるような、或いは凌遅刑を受けた中国の重罪人のような...生きたままお腹を割かれたリアルさ。