事前に掛け金を積み立てて、将来の葬儀や結婚式のサービスを提供する「冠婚葬祭互助会」で、高齢の加入者の所在がわからなくなっているケースが相次いでいる。すでに死亡していた加入者も多数判明。サービスを受ける権利だけが浮かばれずに漂う状態になっている。 「白寿のお祝いに参りました」。今年3月、神奈川県大和市に住む女性(61)は互助会の男性社員の訪問を受けた。互助会に加入していた義父を訪ねて来たのだが、義父は1997年に死亡。義理の母も加入していたが、2006年に亡くなっていた。 女性は2人が互助会に入っているのを知っていたが、受けられるサービスについては把握していなかった。義父が入った79年当時、掛け金は1口6万円だったことはわかっていた。受けられるサービスも同額程度と考え、実際の葬儀は別の業者に依頼した。 互助会の社員の説明を受け、女性は名義を自分たちに変更。今の価値で約50万円相当のサービスを