エッセイを書くのは平気なのに、SNSに書き込むのはなぜ恥ずかしいのかーー。『オール讀物』5月号より酒井順子さんの人気連載「センス・オブ・シェイムー恥の感覚ー」を転載します。 ◆◆◆ 近年、人々の“恥の感覚“を激変させたものといえば、それは他でもないインターネット。特にSNSというシステムに多くの人が接するようになってから、恥の感覚は激変期を迎えたのではないでしょうか。 それは、恥の感覚が「変わった」と言うよりも、「掘り起こされた」と言った方がいいのかもしれません。SNSによって、「実はあの人とこんなに恥の感覚が合わなかったとは」とか、「実は私ってこんなに恥ずかしがりやだったのか」といった発見があった人が多いのではないか。 イラストレーション・唐仁原多里 私が初めてフェイスブックに参加したのは、日本においてフェイスブックがそれほどメジャーではない頃でした。海外に住む友達から、よくわからないけ