熾烈な総合格闘技の試合で、見事勝利を飾ったファイターが歓喜の雄叫びとともに、人差し指で天を指す――。良く見られる光景であるが、あるビデオゲームの世界ではこのポーズをムスリム(イスラム教徒)の選手がしていたことで、ちょっとした騒ぎになっている。 ■ムスリムの選手が十字を切っていた 2012年に巻き起こったビデオゲーム業界を舞台にしたスキャンダル“ゲーマーゲート問題”で、それまでの業界がいかに“白人男性”によって占められているかが浮き彫りになり、ビデオゲーム業界の自浄のために、多様な文化を取り込む“ダイバーシティ”が叫ばれるようになった。そして今日にいたるまで業界をあげての努力が続けられているが、それでもちょっと気を抜けば思わぬところに落とし穴が待ち構えているようだ。 「ボクはムスリムであって、キリスト教の洗礼も受けていない。お願いだから、EAスポーツはゲームの中のボクが試合に勝った後に