新型コロナウイルス禍での巣ごもり需要を捉え、ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」(通称あつ森)がブームになり存在感を高めている任天堂。人気ソフトに連動してゲーム機の販売も増え直近の四半期決算は絶好調だが、通期の業績は減収減益を予想するなど慎重だ。ライバル社との年末商戦、後継機の開発、目まぐるしく移り変わる業界事情――。絶好調な任天堂が弱気な理由は?【毎日新聞経済プレミア・杉山雄飛】 「誰でも直感的に楽しめる『独自の遊び』で顧客を笑顔にする。これは任天堂の普遍的なDNAだ」 9月16日に開かれたオンライン会見で、古川俊太郎社長はこう強調した。2020年4~6月期に世界で1063万本を販売したあつ森は、プレーヤーの分身が無人島に移住し、虫を捕ったり、魚釣りをしたりしてスローライフを楽しむゲーム。他のプレーヤーと交流することもでき、新規顧客として女性や幅広い年齢層を取り込んだ。 ◇「年末商戦の