医師の数(AERA 2018年3月12日号より)この記事の写真をすべて見る 明治維新から150年。政府は唱える、「明治の精神に学べ」と。しかし、いまだ賊軍の汚名と怨念を忘れられない人たちもいる。明治礼賛だけではすくえない。私たちは歴史とどう向き合えばいいのか。 * * * 平成の時代に「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉が、いまも生きている。東京・九段にある靖国神社だ。 靖国神社は戊辰戦争が終わった翌月の1869年6月、明治天皇が戊辰戦争で亡くなった官軍側の死者を弔うために建てた「東京招魂社(しょうこんしゃ)」を前身とする。そのため、戊辰戦争で敗れた旧幕府軍や会津藩士、西南戦争で賊軍として死亡した西郷隆盛も合祀(ごうし)されていない。極東国際軍事法廷でA級戦犯とされ、絞首刑となった東條英機元首相ら14人は、靖国に祭られている。 政治学者で東京大学名誉教授の姜尚中さん(67)はこう話す