日本のIT業界について、私がこの「極言暴論」でいつも問題にしているのは、ご用聞き商売であること、人月商売であること、世界に類を見ない多重下請け構造であることの3つだ。ユーザー企業のご用ばかりを聞いているようでは、変革の武器であるITで勝負する企業としては話にならないし、ピンハネが横行してブラック企業でも生息できる多重下請け構造を発達させているようでは、先端産業・ハイテク産業であるはずのITの名が泣く。 だが人月商売については、それ自体が問題であるとは思っていない。こう書くと「えっ! 木村は今まで散々、人月商売は駄目だと書いてきたじゃないか。あれは嘘だったのか。それとも変節したのか」と非難の声がごうごうと巻き起こるかもしれない。だが、私は嘘を書いていないし、変節したわけでもない。これからきちんと説明するが、ご用聞きをベースにIT業界の多重下請け構造を使って行う人月商売が「悪」だと言っているだ