サウジアラビアの富豪の息子として生まれながら、米国を相手にジハード(聖戦)をしかける国際テロ組織アルカイダを率いたオサマ・ビンラディン容疑者は、アラブ・イスラム世界の若者の夢を担った人物であったことは疑いない。そして、世界の対立という悪夢をもたらした人物だった。 同時多発的な大規模な自爆テロ――ビンラディン容疑者は常に自らが指揮するテロが、世界に映像的に訴える効果を狙った。90年代には、アフリカの米国大使館であったり、イエメン沖の米艦船であったりしたが、最後は米国本土を標的とした。 米同時多発テロでは、米国のニューヨークの世界貿易センターにアルカイダのテロリストたちが乗っ取った1機目の旅客機が突っ込んだ。多くの視聴者がテレビ画面にくぎ付けになっているさなか、2機目のハイジャックされた航空機が超高層ビルに突っ込んだ。 見る者を十分に意識したテロ。しかもライブの映像メディアは単なる映像を