インターネット証券のSBI証券で顧客資産約9864万円が不正に出金された問題は、証券業界に衝撃を与えた。証券会社の顧客口座と出金先の銀行口座はいずれも本人確認を必要としており、不正の難易度が高いからだ。金融庁は各社にネット取引の管理態勢を点検するよう要請し、野村証券などの大手もネット上の手続きの一部停止に追い込まれた。 SBI証券が被害を16日に発表した後、同じネット証券の楽天証券やマネックス証券は、出金先を変更する手続きについてネット上での対応を停止した。野村証券やSMBC日興証券、みずほ証券などの大手にも同様の措置を取る動きが広がり、郵送で書類をやり取りしたり電話や店頭で対応したりする方法に絞ることにした。あるネット証券の広報担当者は「顧客の信頼を失うことにつながり、業界にとって衝撃的な問題だ」と危機感をあ…