ところがその後、上野さんは2度の流産を経験。子どもを授かるということは、自分ではコントロールできない運命のようなものであることを痛感する。夫とも、子どもが持てないなら持てないなりの楽しい人生を計画しようと話し合った。力みがぬけ、仕事はあえてセーブせず、自然に過ごすうちに三たび懐妊。無事に妊娠継続して産休に入り、第1子を出産した。 初めての育休期間は、会社や世の中との接点がなくなってしまうのではという不安感が大きく、自宅では4紙の新聞を購読していた。さらに育休中の社員対象のe-ラーニングシステムを活用して、エクセルやパワーポイントなどのスキルを習得。育児中の先輩に復職後の様子を尋ねて、不安感の払拭にも努めた。しかし、いざ1年後に職場復帰してみると、育休中に感じていた不安はすべて杞憂だったことに気づく。 「『もう戻ってきてくれたんだ。早かったじゃない』と言われて、周囲にとっては、1年ってそれほ