警視庁前に掲示された桐島聡容疑者を指名手配するポスター=東京都千代田区の警視庁で2024年1月26日午後5時11分、猪飼健史撮影 1974~75年の連続企業爆破事件のうち一つに関与した疑いがあるとして指名手配されている過激派「東アジア反日武装戦線『さそり』」メンバーの桐島聡容疑者(70)とみられる男性が神奈川県内で建設関係の仕事に就いていたことが、捜査関係者への取材で判明した。本人しか知り得ない情報を話しているといい、警視庁公安部は桐島容疑者本人の可能性が高いとみているが、県内の病院に入院中で重篤な状態という。公安部は任意で調べを進める方針。 捜査関係者によると、桐島容疑者とみられる男性は職場の同僚に付き添われ、来院した。入院したのは1月に入ってからで、健康保険証や運転免許証など身分を示す物は所持しておらず、自費で診療を受けているとみられる。
北海道の夜空を彩るオーロラ=北海道美幌町で2023年12月1日午後8時半ごろ、プラネタリウム映像クリエーターのKAGAYAさん撮影 北海道美幌町などで1日夜、赤いオーロラが観測された。肉眼でも見えるほどの鮮やかさで、北の夜空を幻想的に染めた。 日本時間11月29日午前に太陽の表面で発生したフレア(爆発)の影響とみられる。太陽から放出されたプラズマが約2日半かけて地球に到達し、地磁気と衝突。磁気嵐を発生させるとともに、大気とぶつかって上空で発光現象を起こした。 オーロラは緑色のイメージがあるが、国立極地研究所の片岡龍峰准教授(宇宙空間物理学)によると、オーロラの高い部分に当たる高度約250~400キロは赤い。北海道のような低緯度の地域からは、水平線上にその高い部分だけが見えるため、赤いオーロラになるという。 片岡准教授は「北海道でオーロラが肉眼で見えるのは珍しい。磁気嵐の規模は決して大きくな
会計検査院「著しく適正を欠く」 東京オリンピック・パラリンピック(2021年7~9月)の選手村への豚肉納入を巡り、農林水産省が実際の納入実態とは異なる、一部が架空の契約書を作成していたことが7日に公表された会計検査院の22年度決算検査報告で明らかになった。検査院は「会計法令に違反し、著しく適正を欠く」と農水省を批判した。 検査対象となったのは、選手村での国産食材の調達契約。農水省は国産食材を提供して日本の魅力を発信するとの方針に基づき、東京都内の食肉卸会社と選手村のフードサービス業者との間で結ばれていた外国産豚肉11トンの調達計画を見直すことを決めた。 この結果、外国産豚肉は全量が国産豚肉に変更され、農水省は、差額の1914万円を国費負担することで食肉卸会社と「合意」。実際に11トンの国産豚肉が大会終了までに納入された。 しかし、農水省が21年2月に食肉卸会社との間で結んだ「調達契約」によ
雪が降る中、ジャンパーなどを着ずに学生服姿で歩く生徒。この日の最低気温は氷点下2度だった=鹿児島市で2023年1月24日午後4時39分、宗岡敬介撮影 「コートなどの着用は認めない」――。列島を強い寒波が襲う中、一部の学校の校則で生徒の防寒着に制限を設けていることが、毎日新聞の情報公開請求で判明した。「ブラック校則」と呼ばれる学校での理不尽なルールは各地で社会問題化している。なぜ、防寒着はだめなのか。学校側に尋ねると、意外な答えが返ってきた。 「寒いっす。他の生徒でコートを着て学校に行ったら、先生から指導を受けているのを見たこともある」。1月中旬、寒空の中を詰め襟の学ラン姿で歩いていた鹿児島市立の高校に通う3年生の男子生徒(17)が打ち明けた。この生徒は登下校時にコートなどは身に着けず、学生服の中にセーターや高機能な肌着をまとって寒さをしのいでいるという。 鹿児島市教委に2022年度の市立高
出土した鼉龍文盾形銅鏡。盾と鏡を合わせたようなデザインで、鼉龍文や幾何学文様など精緻な装飾が特徴的。中央の丸い突起はひもを通す「鈕」=奈良市教委提供 奈良市にある国内最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半、直径109メートル)の未盗掘の埋葬施設から、過去に類例のない盾形の銅鏡(長さ64センチ、幅約31センチ)と蛇行剣と呼ばれる鉄剣(全長237センチ、幅約6センチ)が出土した。いずれも国産とみられる。盾形銅鏡は国内で出土した銅鏡で最も大きく、裏面には精緻で複雑な文様が施されていた。蛇行剣は曲がりくねった刃が特徴で、古墳時代の鉄剣としては東アジア最大、蛇行剣では国内最古という。25日、発表した市教委と奈良県立橿原考古学研究所は「古墳時代の金属器の最高傑作」と評しており、国宝級の発見といえる。 埋葬施設は、墳丘から北東方向にせり出した「造り出し」で見つかった。木の幹を二つに割り、内部をくりぬいて被
控訴審判決を受け、記者会見する籠池泰典(右)、妻の諄子両被告=大阪市北区で2022年4月18日午後5時49分、大西岳彦撮影 学校法人「森友学園」を巡る補助金不正受給事件で、国や大阪府などから計約1億7600万円をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた学園理事長の籠池泰典(69)、妻の諄子(じゅんこ)(66)の両被告の上告審で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は10日付で、無罪を主張していた両被告の上告を棄却する決定を出した。籠池被告を懲役5年、諄子被告を懲役2年6月のいずれも実刑にした2審・大阪高裁判決(2022年4月)が確定する。 小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。次長検事として1審に関与した堺徹判事は審理から外れ、残る裁判官4人全員一致の意見。両被告は現在勾留が解かれた状態で、検察当局が今後、刑務所に収容する手続きを進めることになる。
合同で開催された第5回薬事分科会と第13回医薬品第2部会=東京都千代田区で2022年11月22日午後5時2分、長谷川直亮撮影 厚生労働省は22日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の軽症者向け飲み薬「ゾコーバ」について、製造販売を緊急承認した。12月初めから医療現場で使用できるよう、国が購入し供給を始める。感染第8波に向け、国産の飲み薬が初めて実用化される。緊急承認の適用も5月の制度創設以来初めて。 ゾコーバの投与対象は12歳以上の小児と成人で、感染初期に1日1回、5日間投与する。重症化リスクのない人も投与対象となるが、厚労省は高熱や強いせき、強い喉の痛みなどの臨床症状があることが処方の目安になるとした。 塩野義による最終段階の臨床試験(治験)は、軽症・中等症患者約1800人を対象に実施。速報値によると、偽薬(プラセボ)を投与した群との比較で、ゾコーバの群では、発熱やせきなど5症
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の建物に集まる迷彩服姿の人々=露西部サンクトペテルブルクで2022年11月4日、ロイター ウクライナ侵攻への参加が指摘されるロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵(ようへい)だったロシア人男性が「裏切り者」として殺害される様子という動画がインターネット上で出回っている。ロシアの在外・独立系メディア「メドゥーザ」などが13日、報じた。ウクライナ軍の反転攻勢でロシア側が守勢に回る中、私刑による組織内部や世論の引き締めといった狙いがあるとみられる。 この動画は、ワグネルと関係が深いとされるニュースサイト「グレーゾーン」が12日、通信アプリ「テレグラム」で「報復のハンマー」と題して公開した。頭部をハンマーで殴打されて殺されたとみられるこの男性は「エブゲニー・ヌージン」と自ら名乗っている。55歳というヌージン氏は、殺人罪で24年の禁錮刑判決を受けて露西部リャザン州の刑
愛媛県南予地方局が老舗みそ店「井伊商店」に、「みそを名乗るな」とした指導の取り消しを伝える文書=愛媛県宇和島市の井伊商店提供、2022年11月4日(画像の一部を加工しています) 愛媛県が宇和島市に伝わる伝統食品「麦みそ」の老舗店に「みそと名乗るな」と文書で指導していた問題で、県南予地方局が4日夕、一転して、指導を取り消し謝罪した。県南予地方局長らが、同店店主の井伊友博さん(41)に直接、文書を手渡し「ご迷惑をおかけした」などと述べた。県関係者が明らかにした。 この問題を巡っては、井伊さんがツイッターで「当店の麦味噌(みそ)が『味噌』と名乗れなくなりそうです」と10月26日に悩みをつぶやいたことを機に各種メディアに報じられ、一挙に全国的な話題となった。関心が急速に高まったことなどから、県が急ぎ火消しに走ったとみられる。 県南予地方局は10月13日付の文書で、宇和島市の老舗みそ店「井伊商店」の
森喜朗元首相(85)は29日、金沢市で開かれた金沢医科大の創立50周年を記念する式典であいさつし、自身がつえを使用していることに触れ「つえを突いていると身体障害者に見えて、みんなが大事にしてくれる」と述べた。障害者をやゆしているともとれる発言で、物議を醸す可能性がある。 森氏は金沢医科大で顧問を務めており、来賓として出席した。「医師の指導でリハビリの効果がかなり出てきており、もうつえはいらない」とも語った。 森氏は東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長だった2021年2月、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。「女性蔑視」と批判され、辞任に追い込まれた。首相時代にも…
トラス英首相は、自身の目玉政策だった大型減税策がほぼ全面撤回に追い込まれるという「屈辱」(英紙ガーディアン)の中で辞任を表明した。今回の辞任劇は、冬の本格化を前に国民がエネルギー価格高騰やインフレに苦しむ中、課題に対処できないままリーダーが去るという政治の無力ぶりを浮き彫りにした。 「間違いだと思ったのは私だけではないだろう」。バイデン米大統領は15日、トラス氏が撤回した大型減税策についてそう語った。米国の大統領が、緊密な同盟国の英国の首相について「これほど批判するのは異例」(英BBC放送)と伝えられた。 トラス氏の減税策の柱の一つは、「法人税率引き上げ凍結」など企業や富裕層を意識した内容だった。富裕層が受ける恩恵はやがて中間層や低所得者層にも行き渡るという考えで、バイデン氏はこれについて「富裕層への減税は、私は反対だった」と述べた。9月27日にも国際通貨基金(IMF)が「格差を広げる可能
兵庫県明石市の泉房穂(ふさほ)市長が8日、市内の小学校の式典会場で、市議会運営を巡って議長と女性市議に「次の選挙で落としてやる」などと威圧的な発言をしたことが分かった。毎日新聞の取材に対し、泉市長は発言を大筋で認め「内容、言い方とも不適切で2人にはおわびした」と話した。 2人は榎本和夫議長(自民党真誠会)と飯田伸子市議(公明党)。開会中の市議会には、守秘義務が課せられている市内企業の課税額を泉市長がSNS(ネット交流サービス)上で発信したことなどを理由に、自民や公明などが市長に対する問責決議案を議会運営委員会に提出している。 飯田市議によると、8日にあった小学校の創立150周年式典会場で、泉市長が顔を近づけてきて「お前、賛成するなら許さんからな」と低い声で3回繰り返したという。榎本議長にも「問責なんて出しやがって、ふざけんなよ。次の選挙で絶対に落としてやる」とすごんだという。榎本議長は決議
初閣議後、記念撮影に臨む岸田文雄首相(前列中央)と閣僚たち=首相公邸で2022年8月10日午後7時41分、尾籠章裕撮影 毎日新聞と社会調査研究センターによる世論調査で、岸田文雄内閣の支持率は前回調査から16ポイント下落し、内閣発足以降最低の36%を記録した。閣僚や自民党所属議員らと、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係や、安倍晋三元首相の国葬実施の判断について、多くの国民が問題視していることなどが影響したとみられ、政府・与党内には警戒感が広がった。 新型コロナで療養中の首相は22日夜、オンラインで記者団の取材に応じ、支持率の急落について「国民からのご指摘については真摯(しんし)に受け止めなければならない。さまざまな声を受け止め、日本の直面する課題に全身全霊で取り組み、使命を果たしたい」と述べた。 岸田政権の内閣支持率は発足当初こそ5割に届かなかったものの、その後は大きなスキャンダルも
自民党の甘利明前幹事長(麻生派)が会長の安倍晋三元首相を銃撃で失った安倍派(清和会、97人)について「誰一人、力もカリスマ性もない」などと指摘したことについて、安倍派が強く反発している。8月5日実施予定の安倍氏に対する追悼演説を、甘利氏が行うよう党が調整していることにも異論が出ている。 甘利氏は20日、自身のメールマガジンで、安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と述べた。そのうえで「今後、どう化けていくのかが注視される」と指摘した。 これに対し、安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は21日の安倍派会合で「こんなに侮辱されたことはない。これを黙っていたら、清和会はそうだと思われる」と激しく反発。数人の派閥議員を指さしながら「うちには多士済々の総裁候補がいるだろう」と述べた。
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