中学生のあなたは、仲の良い友人の身体に、何本もの傷跡があることに気がつきました。どうしたの? と聞くと、「実はね……」と、自傷行為を繰り返してきたことを打ち明けてきます。ショッキングな告白に驚いたあなたは、「秘密にしておくから、もうやらないで!」と叱るかもしれませんし、「つらいときは連絡して」と優しく声をかけるのではないでしょうか? しかし、精神科医の松本俊彦先生は、それでは、友人が孤立するか、あなた自身も自傷行為をはじめるかもしれないと指摘します。インタビュー前編では、なぜ自傷をするのかについて取り上げました。後編では、学校現場で自傷行為がどのように扱われているのか、もし友人が自傷していたらどのような対処法があるのかについてお話を伺います。 ※本記事には自傷に関する記述があります。 【前編】皮膚を傷つけ生きていく――自傷は「狂言」で、取るに足らないことなのか 自傷をしやすい年齢や性別とは