例の企画(執筆中)に先立ちまして,日本史の問題を個別にちょっとだけ取り扱う。日本史であるということ以上に難問でも悪問でもないというのと,これは単体で扱ったほうが面白いと判断したためである。単に小ネタというのもあるけど。 そういうわけで,今年の東大の日本史の第3問。問題を打ち直すのはさすがに面倒なので問題はリンクでご勘弁願いたい。問題自体はさして難しくないというか,東大の日本史らしい史料読解問題。Aは史料(1)・(2)・(4)から,実務は幕府担当で,名目上は日本の統治者である天皇の朝廷が儀式面を執り行ったということが読み取れる。(4)は朝廷が実務を担当しようとしたら実力不足で失敗した事例として読めばよい。江戸幕府は「武家政権はあくまで実力を認められて朝廷から統治を委任されている」という自意識が強く,それを何かに付けてアピールする癖があるというテーマは東大の日本史が好むところで,過去問を少なく