クモマツマキチョウというチョウがいるのだが、そいつがとても好きだ。名前は漢字で書くと「雲間褄黄蝶」となって、さらに趣深い。だいたい名前に「クモマ」とつく昆虫はそう少なくないが、それらの多くは下界を離れた亜高山~高山帯に生息していて、滅多に出会えない種類という印象が強い。この種もその例に漏れず、飛騨山脈や赤石山脈などの高標高の地域でしか見れない。いわゆる高山蝶なのだ。 名前の一部になっている「ツマキチョウ」というチョウもいて、こちらは東京23区内でも見れる普通種である。ただし、成虫が活動する期間が1か月ほどと短い(23区内だと4月中しか見たことがない)ことと、遠目にはモンシロチョウに似ているが、近くに寄ると翅裏の唐草模様がすごくお洒落なこと、そして全体的に抑えた色調だけど♂の前翅の先端にそこだけ絵の具をこぼしたようなパッと映える黄色(名前の由来)があることなどで、自分の中では「会えると嬉しい