肉食獣に食べられる人類 もう何年も前の話だが、お酒の席で、ある大学の先生に聞かれたことがある。人類の祖先は、どうやって肉食獣から身を守っていたのか、と言うのだ。 人類の祖先は、最初のころは森林に住んでいた可能性が高いが、後の時代になると草原に進出した。そこには肉食獣がたくさんいる。人類の祖先が木の棒や石器を振り回したところで、大型の肉食獣には敵わないだろうし、群れを作ったり火を使ったりしても、完全には身を守れないに違いない。それなのに、どうして草原に進出することができたのだろうか。じつに不思議だ、と言うのである。 でも、考えてみれば、完全に身を守る必要はないだろう。もし、肉食獣に食べられることがまったくなければ、人類はどんどん増えてしまうはずだ。 有名な話だが、100年ほど前にアメリカのイエローストーン国立公園で、オオカミを駆除したためにシカが異常に増えて、その結果、森林が荒廃して、生態系
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