ティラノサウルスは最も研究されている恐竜ではありますが、まだまだわからないことが多いのが実際のところです。たとえば「ティラノサウルスには羽毛は生えていたのか?」という一般的な問いにさえ、まだ確定した問いはないのです。 一方で、ティラノサウルスの仲間は、北極に近いアラスカや日本にも生息していたことが分かっています。新たな発見があるたびに新しいことがわかり、そしてまた新たな謎が出てくるのがティラノサウルス研究なのです。 そんなティラノサウルス研究の最新事情を、『ティラノサウルス解体新書』(講談社ブルーバックス)から抜粋・再編集してお届けします。 ティラノ軍団が現れたのは梅雨の時期 恐竜が生きていた中生代は、別名「恐竜時代」とも言われます。古い時代から「三畳紀」「ジュラ紀」「白亜紀」で構成され、三畳紀の始めが約2億5190万年前、白亜紀の終わりが約6600万年前と定義されています。 しかし、これ