文字盤を使って質問に答える東田直樹さん(右)と、母の美紀さん=千葉県君津市文字盤を使って質問に答える東田直樹さん(右)と、母の美紀さん=千葉県君津市 「光の中へ」 光の中へ ただ 光の中へ 僕は入りたい たとえ そこが 現実の世界でなくても 光が僕を誘う 僕の分子を呼ぶ 細胞のひとつひとつが 光に向かって伸びていく この手が この目が 光をつかまえる 一瞬の喜び どこにでも光はあるのに 僕が望む 真実の光は 永遠に 存在しない ◇ 【太田康夫】「光の中へ」の作者、東田直樹さん(20)は他人とうまくコミュニケーションがとれず、5歳のころに医師から自閉傾向と知的障害があると診断されたという。一方で幼少時から詩や物語を書き、すでに15冊を出版した。彼の言葉は、どうやって生まれるのだろう。千葉県君津市の自宅へ会いに行った。 ■文字盤指さしながら話せる 食卓に現れた直樹さんは母美紀さ