8月末の総選挙での政権交代はほぼ確実な情勢だ。しかし、世間一般での人気とは裏腹に市場関係者の間では「初めて政権を担う民主党の経済運営は危うい」(大手機関投資家)と警戒されている。 民主党政権の誕生が、金融市場にもたらす影響として、まず思い浮かぶのは、長期金利の上昇だろう。子ども手当の創設や高速道路無料化など、現政権よりバラマキ度が強く、財源としての国債増発の可能性が高いためだ。ただ、国債を国内消化できる日本では、長期金利上昇の影響はほぼ国内市場に限定されると言っていい。 長期金利上昇よりも危険なドル暴落 世界経済への影響を考えると、本当に危険なのは外貨準備の見直し論だ。 外貨準備の在り方について、民主党の中川正春ネクスト財務相は、内外メディアに対し、「ドル安による為替差損を抑制するため、円建て米国債(サムライ債)の発行や保有外貨の多様化などが必要」との認識を示している。