日本でも大人気のステーキ ステーキはご馳走だ。 宗教上の禁忌や個人の思想信条などを除けば、きれいな塊肉を焼いて食べるのが贅沢であることは、世界の大部分で共通の認識ではなかろうか。 草食だった人類が肉を食べ始めたのは、今から250万年も昔。太古から直火で炙った牛肉が食べられていた。8世紀にはヨーロッパでローストビーフが食べられるようになり、14世紀には牛肉料理のバリエーションが豊かになる。 そこから時代が進み、牛肉の火入れが研究され始めたのが19世紀。レア、ミディアム、ウェルダンといった焼き加減の区別が生まれた。牛肉のおいしさを峻別できるようになったということで、現在のステーキの原型であるといえよう。 ここ日本で牛肉が口にされるようになったのは明治時代。明治後半には、ステーキは豪華な食事だという認識が広まった。そして第二次大戦後、アメリカンスタイルの厚みあるステーキがアメリカ占領下の沖縄から