若者による"地方観"の変遷を、若者にウケているJ-POPの変遷から見ていくという着想自体はたいへん面白い。 だが、BOØWY('80s)→B'z('90s前半)→Mr.Children('90s後半)といった、それぞれの時代を彩ったロックバンドの歌詞を分析していったのちに、00年代を紐解く題材にヒップホップグループであるKICK THE CAN CREWが登場する唐突なチョイス(この時代にヒップホップが一世を風靡していれば話は別だが)には、やや疑問を呈さざるをえない。 また、10年代の分析として『おしゃかしゃま』が挙げられているRADWIMPSについても、「試行錯誤する自分らしさ」というよりは、90年代後半のミスチル的な「関係性によって作られる自分らしさ」を標榜した曲が多いイメージがあるのだが…。 このように、J-POPの歌詞分析にあたっては、多少の作為的な意図が透いて見える点は否めない。
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