≪イランの立場変える転換≫ 6月12日に投票されたイラン大統領選挙では、大がかりな投開票の不正を示す不自然な結果が発表され、イランの政治体制に動揺をもたらしている。 イランは米国の政治家やメディアによって、あたかも狂信的な神権政治体制による独裁・圧政として描かれがちだが、中東諸国の世論においては、イスラーム主義を支持する層からはイスラーム革命を先駆的に実現した政体として、西欧型民主主義を志向する人々からは、制限はあれども自由で活発な選挙を行う、アラブ諸国と比べれば概して先進的な体制として見られてきた。米国やイスラエルに対して過激な発言を繰り返す最高指導者や大統領についても、自分たちが言いたくても言えないことを言ってくれる、留飲を下げる存在として見られてきた。今回の選挙は、このようなイランの立場を変える転換点となりうる。 そもそも今回の選挙で誰が勝ったのかが議論の前提になるべきところだが、投