ブックマーク / note.com/ruiu (5)

  • Cコンパイラ制作の夏期集中コースが思っていた以上にうまくいった話|Rui Ueyama

    2018年の夏に僕はセキュリティキャンプ(以下「セキュキャン」)というイベントでCコンパイラ作成コースの授業を行いました。授業はとてもうまくいったといってよいと思います。参加者は6人だったのですが、6人全員プログラミング技術がかなり飛躍的に向上したようですし、そのうち3人は期間中にセルフホスト(自分の書いているコンパイラで自分のコンパイラ自身をコンパイルできること)まで漕ぎ着けることができました。 この文章では、その授業をどのように僕が教えたのかということと、生徒にできるだけ多くのことを学んでもらって自信をつけてもらうために僕が何を気をつけていたのかという2つの点について説明します。 セキュキャンとはセキュキャンは5日間の合宿イベントで、学生を対象としてコンピュータセキュリティやプログラミングについて教えるというものです。いくつものコースが用意されているのですが、僕が受け持ったのは「集中コ

    Cコンパイラ制作の夏期集中コースが思っていた以上にうまくいった話|Rui Ueyama
    keijak
    keijak 2018/09/01
    すばらしー
  • 「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama

    ソフトウェアの世界には「悪い方が良い」原則という有名なエッセイがある。キレイにレイヤ分けされた一貫性のある良いデザインよりも、一見手抜きの悪いデザインのほうが実は良いときもあるという話だ。この逆説的なデザイン原則を僕は身をもって体験したことがある。それについてちょっと書いてみようと思う。 僕はlldというリンカの現行バージョンのオリジナル作者だ。リンカというのはコンパイラと組み合わせて使うもので、実行ファイルやDLLを作るのに使用される。lldはプロダクトとしてはかなり成功していて、標準のシステムリンカとして採用しているOSがいくつかあったり、GoogleやFacebookなど皆が知っているような大規模サイトの中で広く使われていたりする。 現在のlldは2世代目で、第1世代のlldは僕がプロジェクトに参加する前から存在していたのだけど、数年前にそれを捨てて一から書き直すということになった。

    「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama
    keijak
    keijak 2018/04/07
    あまりに抽象レイヤを重ねているとある日パフォーマンス改善のためおもむろに低レイヤを触るコードが紛れ込んだりしてそれを切り離すための抽象化を盛り込んだりしてるうちにピタゴラ装置ができあがる。
  • 意図的にプログラムの動きをランダムにしてバグを早期発見するテクニックについて|Rui Ueyama

    プログラムを書いていると、素直に実装した結果として毎回特定の条件が満たされているけど、来それは誰も保証してないという場面に出くわすことがよくある。保証されていない偶然の動作に依存することで生じるバグというのはかなり多い。 例えば最近では、ドラゴンボールZ ドッカンバトルというゲームで、2回SQL文を実行した結果が同じ順序で並んでいるという誤った期待をしているコードがあったせいで、ガチャの確率表示がめちゃくちゃになってしまって、運営が確率操作しているのではないかという騒動が発生したことがあった [1]。データベースでは空のテーブルにデータを追加してその直後に読み返すと、データを追加した順番に結果が返ってきたりしがちなので、問題のコードはきれいなテスト環境では偶然うまく動いてしまったのだろうと思う。 上のようなバグを防ぐために最近よく使われているのは、来保証しないところをわざと壊すという方

    意図的にプログラムの動きをランダムにしてバグを早期発見するテクニックについて|Rui Ueyama
    keijak
    keijak 2017/12/14
    Go の map でこれをやること自体は否定しないけど、deterministic にする必要があるときに、ジェネリクスも組み込みの ordered map も無いので明示的にキーででソートするコードを毎回書かされるのはちょっと面倒。
  • 機械の目と人間の目の類似点|Rui Ueyama

    「機械の目」というと冷徹かつ忠実に現実の世界を切り取るというニュアンスがある。カメラのイメージセンサなどは誰が作っても、それこそ別の惑星の知的生命体が作っても、僕らが持っているものと同じものになりそうだ。しかし実際にはそうではない。カメラは多くの場合、人間が見るための画像を生成する装置なので、人間の目の構造をかなり忠実に反映している。それについてちょっと見てみよう。 多くの人の目にはRGBの3種類の色に反応する3種類の細胞がある。最近は生きた人間の網膜上の細胞を直接観測することが可能になっている。下がその着色した画像だ(画像はWikipedia)。 カメラの撮影素子のカラーフィルタもRGBだ(画像はWikipedia)。 さて、ここでいくつかの共通点に気づくことができる。まずは、どちらもRGBの3色を認識するという共通点があるのだが、3原色というのは、自然界における3つの特別な色というわけ

    機械の目と人間の目の類似点|Rui Ueyama
    keijak
    keijak 2017/11/27
    人と大きく異なる視覚を持つ生物でなくとも、人類の中には色盲の人もいれば四色覚持っている人もいるので彼らに対応する需要は一定量ある。
  • ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama

    いろいろな環境で動くプログラムでは互換性のためにその場しのぎのことをしないといけないことがよくあるけど、歴史が積み重なってくると、アドホックな技の上にアドホックな技が積み上がる喜劇的な状態になることがある。こういう問題は認識するのは簡単だが直すことは誰にもできない。まさに僕がそのような体験をしたのでちょっと説明したい。 僕は仕事としてオープンソースのlldというリンカを書いている。リンカというのはコンパイラが生成したバイナリファイルをつなぎ合わせて最終的な実行ファイルやDLLを作成するプログラムで、知らない人も多いと思うけど、何をコンパイルしても最後にはリンカが動いている。lldは既存プログラムより何倍も速くてビルドが早くなるというので最近は結構人気が高まっていて、FreeBSDなどのいくつかのOSが全面的にスイッチしようとしたり、あるいは大規模プロジェクトChromeや、どうもFire

    ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama
    keijak
    keijak 2017/11/15
    ぷらぐまてぃっく。現実は糞で溢れているので仕方ない。
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