■■東京でクルド人と出会った■■ 「難民」。この言葉から私たちは、何を連想するだろうか?中東やアフリカの紛争、飲み水に困る家族連れ、半裸の少年の瞳、広大な難民キャンプ…。 数年前、私は東京のファミレスで“難民”と初めて出会った。テレビドキュメンタリーの取材の為だった。 シリア北部から日本に逃れて来た彼は、自分を「クルド人」だと言った。その時、彼は数人の友人と一緒で、テーブルに日本人は私1人。そんな私の不安を感じたせいか、中東の人のもてなし気質からか、彼らは私を客人とみなし、コーヒーを奢ってくれた。彼らの人なつっこい笑顔が魅力的だったからか、私はその後、日本に生きるクルド人たちを取材するようになった。 2017年の夏、私は18歳のクルド人青年オザンと出会った。 このドキュメンタリーは、彼のひと夏を追った作品だ。まずはご覧いただきたい。 クルド人を説明する際、最もよく使われる言葉は、「国家を持