史上初のバッテリー。それが実現したのは今季開幕からすぐの4月4日のことだった。 ホークスの先発投手はWBCベストナインの千賀滉大。そして、スタメンマスクを被ったのは甲斐拓也だった。 千賀が育成出身ながら大出世を果たしたのはすっかり有名になったが、甲斐もまた同じ年の育成ドラフト会議で指名された選手だ。育成制度が導入されて今季が13年目。育成出身選手同士が先発バッテリーを組んだのは、これが初めてだった。 以下、千賀の弁だ。 「正直、特別な感情などはなかったですよ。初めてだったと聞いたときも『あー、そうなんだ』という感じ。育成時代も変に励まし合ったりとか、そんなのはなかったかな。ただ、拓也の肩はあの当時からとにかく凄かった。それは間違いなく言えます」 今から7年前のドラフト会議。千賀は育成4位だったが、甲斐はさらに下の育成6位で指名された。ホークスでは最下位。12球団全体でも97名中94番目でよ