このマンガ好きだったらこの小説読んでみなよー。この小説が面白いんなら、このマンガ、絶対おすすめ。そんなふうにおもしろい本の世界を倍々でひろげていきます。第23回は「武士道は死狂ひなり」な、マンガと小説を! 「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」とは『葉隠』の有名なフレーズです。 ここだけ抜粋すると、主君のためには喜んで命を投げ出し、誇りが傷つけられれば本身で斬り合い、恥を雪ぐため潔く自刃して果てる武士たちの姿が浮かびます。 しかし、そんなはずはありません。 戦国の世ならともかく、太平の世でたいした理由もなく構成員に死なれたら、藩の存続すら危ういでしょう。 強烈なインパクトを誇る前述のフレーズ、『葉隠』の思想に惚れ込んで『葉隠入門』を執筆した三島由紀夫の印象が強いせいか、どうも「死の美学」について書かれたものだと誤解されるきらいがあるようです。 『葉隠』とは、出家して隠遁生活に入っ