タイトルからしてアングラの世界を覗いた気分です。本書は別冊宝島のタイトルとして文庫出版されたものです。ざっと目次をあげて紹介してみます。 第1章事件の暗部 ここはかつての猟奇事件から未解決事件まで、謎やタブーとされる事件が紹介されています。事件によっては記者の独自取材もあり、なかなか切り込んでいました。金丸信狙撃事件実行犯のインタビューはもとより、なるほどと思ったのは和歌山カレー事件についてです。この事件ではかねてから動機がはっきりしないことや、目撃証言が曖昧なことにより容疑者の冤罪が取りざたされていましたが、読めばなるほどと思うこともあります。まず容疑者夫婦の事実上の共犯と思わしき人物が検察側の証人として証言していること、さらに記者が取材を進めるうちに警察のある思惑というかそういうものも感じさせます。まず一連の保険金詐欺が事実としてカレー事件との整合性が取れないことなどもあります。周到な