2009年8月17日のブックマーク (2件)

  • 広場:ハーバード大学における科学史の大学院プログラム

    『化学史研究』第27巻(2000): 223-230 © 2000 by the Japanese Society for the History of Chemistry. All rights reserved. 伊藤憲二 筆者はもともと東京大学大学院博士課程において科学史家として訓練をうけていたが、1996年9月にフルブライト奨学生としてハーバード大学の科学史学部にPh.D取得を目的として入学した。以後、現在(2000年9月)まで4年にわたって同大学に在籍してきたことになる。稿では筆者の体験をもとにハーバード大学における大学院生の訓練について記し、読者の参考に供したい。またここでは科学史に焦点を絞り、ハーバードにおける大学院生及び留学生の生活などの点については別の機会に譲ることにする。 筆者は日における量子力学の研究の歴史を専門としている。そこでよく聞かれる質問(時にはそ

  • カール・シュミットの中立論についての論考 - shinichiroinaba's blog

    果たして、正当戦争論と中立は論理必然的に相いれないものであろうか。たしかに戦争が、公的秩序を脅かす「犯罪者」とそれを取り締まる「司法機関」との間の武力衝突として把握される場合には、両者の法的・倫理的地位は明らかに異なっており、そこにおける中立を法的に根拠づけることは難しいだろう。しかし、たとえば、所有地の境界を争う隣人同士の権利紛争に類比されるべきものとして戦争が観念されている場合、それが権利侵奪という正当な原因(根拠)に基づくものであるにもかかわらず、すくなくとも第三者にとって、両交戦当事者の法的・倫理的地位に大きな差異は生じないのではないか。〈各人格の個別的利害をめぐる法律紛争において、第三者は正当と思われる側を援助せよ〉というような要請は、決して一般的な法原則ではない。むしろ、司法手続は、「当事者適格」等の概念を用いて、紛争に利害を有しない第三者の関与を排除する傾向にある。そうである

    カール・シュミットの中立論についての論考 - shinichiroinaba's blog