9月20日、米ウォール街が驚いた。インドの中央銀行、インド準備銀行(RBI)が政策金利を0・25%高い7・50%に引き上げたのだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が18日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的金融緩和の解除を見送る「ハト派」的な姿勢を前面に出しただけに、多くのエコノミストはFRBにならった「据え置き」を予想していた。 約2年ぶりの利上げを決めたRBIの政策会合を取りまとめたのが、9月初めに総裁に就任したばかりのラグラム・ラジャン氏。2008年の金融危機を予想した俊英の経済学者である。 ◆新興国利上げ相次ぐ FRB次期議長候補としての指名を辞退したローレンス・サマーズ元米財務長官が発した「(金融)技術否定者」との批判に屈せず、不動産バブルを増幅した金融工学のリスクを05年時点で警告した実績で知られる。ラジャン氏が「タカ派」の判断を下した根拠は、インド国内のインフレ圧力